日本の美術家
ル・サロン展について

ル・サロンとは
1667年、ルイ14世の提言により創設された世界最古の公募展。 マネ「オランピア」、ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」、アングル「グランド・オダリスク」、ミレー「種をまく人」、ジェリコー「メデューズ号の筏」、ルノワール「シャルパンティエ夫人と子どもたち」、モネ「緑衣の女」、セザンヌ「画家の父」……。これら誰もがどこかで一度は目にしたことのある名作が出展された由緒正しき美術展であり、美術史上に残る多くの巨匠がこの「ル・サロン」によって名を馳せました。

発起人:ルイ14世
“近代絵画の父"と呼ばれるセザンヌの場合、 22歳でパリに出てからル・サロンヘの挑戦を続けたものの落選を続け、初入選を果たしたのは43歳の時でした。
現在ル・サロンは毎年11月-12月の約1週間、パリの「グラン・パレ」で行われる「アール・アン・キャピタル・(フランス四大歴史的サロン合同美術展)」として開催。
1900年パリ万博のメイン会場として建てられた「グラン・パレ」に作品が展示されることは、世界中のアーティストにとって大きな喜びと名誉であり、ル・サロン会員という称号を得ることは、美術界における世界の中心で一流のアーティストとして認められたと言っても過言ではないでしょう。
※アール・アン・キャピタルとは、 2005年に創設された合同展。現在「ル・サロン」を筆頭とするフランス四大サロン(他に「コンパレゾン」「サロン・ デ・アンデパンダン」「デッサンと水彩画」)が参加しています。
ル・サロンで名声を勝ち得てきた芸術家たち

モネ
Claude Monet
1840-1926年。印象派を代表する画家だが、ル・サロンではなかなか認められなかった。自然の移ろ いと光の変容を生涯を通して描き続けた。

ルノワール
Pierre-Auguste Renoir
1841-1919年。印象派の前身となるグループを結成し「虹のパレット」と呼ばれる黒を使わない明るい色調を確立。女性や子供を主題とした。

セザンヌ
Paul Cezanne
1839-1906年。近代絵画の父と称される画家。印象派の明るい色彩を取り入れつつ黒も使用し風景画、静物画などに独自の境地を切り開いた。

ドラクロワ
Eugene Delacroix
1798-1863年。光と色彩の調和を得意とするロマン主義の第一人者。24歳で初のル・サロン出品を果たし、高い評価を得た。

ミレー
Jean-Francois Millet
1814-1875年。田舎の風景や農民を多く描いたバルビゾン派の一人。農民の営みと宗教的感情を描いたことから農民画家とも呼ばれる。

マネ
Edouard Manet
1832-1883年。娼婦を描いた「オランピア」をル・サロンへ出品し批判を受けるが、「ル・サロンこそ世間に問いかける場」として挑戦し続けた。
「ル・サロン」が生んだ著名アーティスト
画家:
ド・ラ・トゥール、ブッサン、シャルダン、ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、ダヴィッド、アングル、ジェリコー、ドラクロワ、クールベ、ミレー、メアリー、カサット、ドーミエ、マネ、ピサロ、ルノワール、コロー、モネ、セザンヌ、ドガ、デュフィ、モーリス=ドニ、ルオー、ピカピア、ビュッフェ、他
彫刻家:
カルボー、ブールデル、バルトルディ、ロダン、他
第230回 ル・サロン
230 LE SALON - ART CAPITAL 2020


アングルやドラクロワ、ミレー、ルノワール、セザンヌなど、各時代を代表するアーティストを輩出した世界最古の公募展「ル・サロン(フランス芸術家協会展)」。
ル・サロンをはじめフランスを代表する4つの美術団体の合同芸術祭、「アール・キャピタル」は2月12日に開幕し4万人近い来場者を集めて16日にその幕を閉じました。会場となったのは、パリの中心、シャンゼリゼ大通りとコンコルド広場の間に位置する国立グラン・パレ美術館。1900年パリ万国博覧会の展覧会場として造られた歴史的建造物です。
美術団体である「コンパレゾン」「アンデパンダン」「デッサンと水彩画サロン」と共に、「アール・キャピタル」を構成する「ル・サロン」。世界的にも最も長い歴史を有するこの公募展では、今回 639名の作品が厳格な審査で選ばれました。
その内訳は絵画430点、彫刻104点、版画55点、写真40点、建築2点、モザイク4点。バラエティに富んだ作風・技法が見られるその展示を観れば、ル・サロンが伝統に敬意を払いながらも、いかに現代性を重視しているかが如実に分かります。
第232回 ル・サロン
232 LE SALON - ART CAPITAL 2022


例年グラン・パレという歴史的建造物を舞台に開催される「アール・キャピタル」。これは、ル・サロン(フランス芸術家協会)などフランスを代表する4美術団体による合同芸術祭です。
2024年に開催される パリ五輪の会場として使用されるグラン・パレが現在改修中のため、 2022年のアール・キャピタルは2月16日~20日、エッフェル塔にほど近 いグラン・バレ・エフェメールという新しく建てられた会場で実施されました。ちなみに「エフェメール」とは、フランス語で「仮の」と共に「はかない」という詩的なニュアンスの意味を持つ言葉です。
「ル・サロン(フランス芸術家協会)」「コンパレゾン」「アンデパンダン」「デッサンと水彩画サロン」の4団体で構成されるこの芸術祭。昨年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から中止が余儀なくされましたが、今年は関係者の努力により無事開催となりました。
多くの人々が2年ぶりとなるこの展覧会を心待ちにしていたのでしょう。入ロには長い行列ができ、例年とほぼ同じ約40,000人の美術ファンが来場。「久しぶりに芸術を堪能出来るサロンが再開されてとても嬉しい」「彫刻と絵画の配置が素晴らしい。ジャンルごとの展示もいつもより良い」などという声も聞こえてきたようです。
世界最古の公募展であるル・サロンには今回、厳格な審査をパスした651名のアーティスト(絵画443、彫刻108、版画47、写真33、建築15、モザイク5)が選ばれました。また、19世紀から20世紀にかけて活躍した彫刻家のカミール・クローデルを顕彰。その作品が現代の作家たちの作品と同じ会場で展示されました。